Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、充電再開

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

今日からまた再充電。ここ最近は一まとめのフライトが終わると2日間のお休みを取るパターンが続く裕坊。1日目は洗濯と乾燥とお昼寝、2日目はアイロンがけして荷作りしてお昼寝、3日後には出勤…………しかも出勤は午前早いうちのショーアップ……………休みなど気づかないうちに終わってしまいます。

リージョナルの航空会社は、4日間をひとまとめにしてフライトをこなすのが一般的。一回のトリップ当たり10本前後のフライトを担当。デトロイト所属の裕坊は自宅もデトロイト近郊。出勤の日は自宅を出て車をデトロイト空港まで運転し、フライトが終わるとデトロイト空港から車を運転して自宅まで帰ります。何か当たり前のことのように聞こえますね。これが当たり前でないのが航空業界という世界。

実はフライトクルーにとって飛行機通勤は当たり前。裕坊もケネディ空港に配属されていた時期があります。フライトクルーには福利厚生の一部として、スタンバイにはなりますが、飛行機にはタダで乗れるという特典があります。他社便でもアメリカ国内であれば貨物専用航空会社のフライトですら乗せてくれます。それを利用してデトロイトからニューヨークのケネディ空港まで通勤してみましょう。

今日のお昼12時にケネディ空港を出発する便を担当するとします。11時までには出発便のゲートには着いておきたいですね。デトロイトからニューヨークまでは、出発ゲートから到着ゲートまでおよそ2時間ですから、遅くともデトロイトを9時に出発する便には乗っておきましょう。時刻表を見ると8時半に出発する直行便があります。家を2時間前には出た方がいいですから、6時半には家を出ましょう。

但し乗れるかどうかは当日のフライトの混み具合次第。スタンバイですから、必ず乗れるとは限りません。旅行シーズンだと乗れない可能性があります。最悪乗れないケースを想定して一つ早い便を考慮しておく必要があります。ケネディ空港行きではないですが、ラガーディア空港行きに7時発という便がありました。よく見ると空席がかなりあります。そちらに乗ることにしましょう。家を出るのは朝5時。ご、ご、ご、5時……………いしのようこさんのお約束のフレーズを口にして我が家を出発です。12時の便を担当するのに、家を朝5時に出発。

これを航空業界ではコミュートと呼びます。到底車や電車で通えない距離を通勤するのに、福利厚生を利用して飛行機を利用して州外から通います。ワシントンからニューヨークに通う者もいます。シカゴから通っている者もいます。中にはロサンゼルスからはるばる深夜便を利用して、朝の便に備えるツワモノもいます。日本からの通勤だって可能です。国外からの通勤を制限する事項は、通常航空会社にはありません。その気になれば地球の反対側から通うのも自由です。事実我が社にはインドネシアから通っている者がいます。どんな生活をしているのか、裕坊には想像できません。想像したくもありません。

1度や2度ならカッコいいです。1か月続くとダルくなります。3か月続くと飛行機を見るのがイヤになります。1年続くと自分がどこにいるのか分からなくなります。コミュートはあくまで休日の間の出来事としてカウントされます。インドネシアから通う彼はきっと飛行機マニアなのでしょう。夢のような時間を過ごしているに違いありません。

2日間のお休みの1日目です。今日の裕坊の予定。まず洗濯をします。そのあと洗濯物を乾燥機に移し替えます。そのあとお昼寝をします。そして愛妻ちゃんと息子くんが帰ってきて夕食をいただきます。とてもいい1日になりそうです。

おやすみなさい。

 

つづく

裕坊