Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊ゾンビ、1日目

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

コタツの中に足を突っ込んでぬくぬくしながらキーボードを叩く裕坊。タイトルにあるゾンビとは、疲れ過ぎて動けないの略。フライトの遅れは最後まで影響して、デトロイトの到着は3時間遅れ。昨夜は12時半、夜中過ぎに帰ってきました。

電池の残量1%。普段ならとっくに横になっている愛妻ちゃんが、珍しくユーチューブを眺めてます。目もパッチリ。電池の残量2%に増えます。声を掛けると笑顔を見せてくれます。癒されます。電池の残量5%。少し回復してシャワー浴びたり、歯を磨いたりと寝る前の準備をします。残量が2%に減ります。気付いたら愛妻ちゃん、毛布を被って寝ています。残量1%。ログブックをつけます。6日分の飛行記録を更新。残量ゼロ。チーン………………………

スマホはいっぺん残量ゼロになると、充電器つけてもすぐには使えません。電池が再充電始めるのに最低5分はかかります。タブレットは最低10分かかります。人間だと最低3時間かかります。我が家は8時前に愛妻ちゃんと息子くんが家を出るので、それに合わせて朝食を取ります。再充電を始めた頃に起き上がります。クロワッサンにチョコレートシロップをかけて頬張ります。電池の残量10%くらい。気力を振り絞ってブログを更新します。

昨日は快晴のミネアポリスとは対象的に、一つ目のフライトの目的地シカゴは深い霧。雪が降った後に気温が少し上がると、濃い霧が出る条件が整います。地上から放たれる電波を頼りに滑走路へアプローチ。霧が深いと滑走路が見えるのは着地直前5秒前。副操縦士が自動操縦を操り滑走路へとアプローチ、機長はその間滑走路への誘導灯を探します。滑走路が視認できると機長が操縦桿を握り、そのまま着陸。何とかシカゴには数分遅れながらも到着。

本来そこから3時間待機のところ、待つに待つこと6時間。次のフライトのケネディ行きは4時間遅れ。霧が深かったり雨や雪が激しく降ったりすると、パイロットは自分では上空から滑走路を視認することはできません。管制官が各到着便をレーダーで誘導して滑走路へと正対させます。正対までの距離も伸び、一機当たりに費やす空域も増えるので、必然的に管制官が扱える到着便の数は減ります。そこで課されるのが離陸調整。

飛行機が既にゲートに止まっていてクルーも揃っているのに、搭乗を待たされた経験をされた方もいらっしゃると思います。大抵の場合離陸調整がかかってます。特に行き先がニューヨークやシカゴなどの主要空港の場合、管制官から離陸指定時刻を課されていると考えて、ほぼ間違いありません。離陸指定時刻を課すことによって、主要な空港へと向かう便数を調整するのです。天候が悪い場合、2時間、3時間の待機はザラ。

シカゴの昨日の深い霧により、各出発便の離陸調整はほぼ離陸停止状態へと陥りました。本来ニューヨークから1時にはやってくるはずだった飛行機が離陸できず、到着予定時刻になってもニューヨークを飛び立つことができず、4時間遅れ。シカゴでは他にもデトロイト行き、アトランタ行き、ミネアポリス行きなども同じ状態へと陥り、ゲート付近は大混雑。コーヒーショップには長蛇の列が出来、コーヒー一杯買うのに20分かかります。

4時間遅れでニューヨークにやっとの思いで到着。ニューヨークでは3本目のデトロイト行きのフライト用の書類が印刷できず、遅れが伸びるオマケつき。デトロイトに着いたの11時20分でした。

コタツはぬくいです。根が生えます。頭が既に揺れ始めています。電池残量ゼロになりました。おやすみなさい。

 

裕坊